COLUMN

前川さんコラム

第1回 心をオープンにして、自分らしさを表現していく

 心を閉ざして生きていることは苦しいことですね。ココカラに来る若者たちは、みんな心を閉ざした状態でやってきます。これまでの生育環境(親子関係や友達との関係性)の中で、自分を思いっきり出せなかった、または、自分を出した際に否定されたり傷ついた経験があるから、そうなっているんだと思っています。

 

 心を閉ざしていると、こんな風に考えてしまいませんか?相手に言いたいことが言えない。言ったら嫌われるかもしれない。ありのままの自分を出してみたいけど自信がない。自分を出して嫌われるくらいなら、出さないで我慢していた方がいい。どうせ私なんて生きている価値ない。

 

 こうした考え方で生きていると、心が疲れてしまって、心の病気になってしまいます。そして、心の病気はいくら薬を飲んだところで治りません。孤独に一人でいても治りません。人と人との繋がりの中で、ゆっくりじっくりと治っていくものなのです。そのためには、安心して人間関係を持てる場所が必要なんですね。

 

 ココカラは心をオープンにしていく練習ができる環境です。ココカラには、「人間関係8つのルール(否定しない・抑圧しない・強制しない・差別しない・比較しない・放置しない・孤立させない・傷つけない)」があります。スタッフも利用者さん(うちではメンバーと呼びます)も、これを守ってお互いにコミュニケーションを行うので、安心して自分を出す練習ができます。

 

 とは言っても、心を閉ざしていることに慣れてしまったメンバーが、自分を表現していくまでにはとっても時間がかかるものです。心の病気、心が不安定な状態、自己否定感情からの回復のためには、まず最初の段階として、「安心できる環境で」「心をオープンにして」「自分らしさを表現していく」ことが、第一歩なのです。

PROFILE

前川 航太朗 1981年、茨城県水戸市生まれ。

大卒後、水戸市役所に入庁し10年間勤務。市役所在職中に、パキスタンの子どもと女性のための教育普及支援を目的としたNPO法人SOLUNARCHEを立ち上げ共同代表理事を務める。市役所を退職して同NPO法人活動に専従となるも、半年後には活動停止となる。

帰国後、2014年4月に株式会社Rememberを設立。「ひきこもり若者」を対象とした訪問活動を1人でスタートし、現在は障害福祉サービス事業所として、通所施設、宿泊施設を含めた3事業所の運営を行なっている。

今後は、次世代の子どもたちの心の拠り所となる環境づくりを目指して、フリースクールやコミュニティづくりを計画している。

不登校やひきこもり、心の病気の改善やケア、子育てなどのテーマについての講演多数。