株式会社Remember

私たちが目指すもの

代表メッセージ

会社を設立して2年半が経ち、改めて会社の存在意義を考える機会がありました。 なぜRemember(思い出すという意味)という会社名にしたのか。元々、自分は何をするために会社を設立したのか。この社会の中で、自分にできる役割と何だろうか。 この場を借りて、これらのことについてお話ししたいと思います。

私は大学を卒業した後、地元の市役所に勤めました。採用5年目の人事異動によって、生活保護行政の職場に転属となり、それから退職までの6年間を福祉現場の最前線で働かせていただきました。

福祉の現場では、人の生き様と真正面から対峙し、特に人の死に様と向き合う機会が多くありました。様々な人が様々な死に方をしていくドラマのような現場で、「人はなんのために生きていて、死んでいくのか」と考えるようになりました。

また、あまりにも多くの若者たちが社会から孤立して、生活保護を受給している事実を知りました。働ける力もやる気もあるのに、働かせてもらえる場所がない、というのです。彼らは次第に孤独になっていき、働く意欲も無くなってしまうのです。

もちろん、これは本人の問題でもありますが、本質的には、社会側の問題であると感じました。それから、自分なりにいろいろ調べてみて、彼らのような未就労者が社会復帰できるまでのサポート体制が社会であまりにも少ないことを知りました。

私は、日本の福祉現場で働きながら、「人はなんのために生きているのか」の答えを探し求めて、幾つかの国を旅しました。その中でパキスタンという国との縁が繋がり、貧困地域への教育普及のプロジェクトに2年間携わりました。

あるパキスタンの村で、子どもたちに日本のことを教えていた時のことです。はじめは神社や仏閣、都内の高層ビル群などの写真や、食べ物やファッションの写真などを見せながら日本のことを伝えていくと、みんなが「日本人はいいなぁ!私も日本に住みたい!」と瞳を輝かせて、日本への憧れを誰もが話していました。

しかし、その後に日本の自殺者の現状や、福祉現場で感じていることを話しました。「日本では、働きたくない、死にたいと言って、実際に自殺する人もこんなにいるんだよ。」と伝えると、そこに居た誰もが「日本人はかわいそう。私たち、日本にはやっぱり住みたくない。」と口を揃えて言いました。

私が「どうして?」と聞いてみると、「だって、私たちは学校もこれまでなかったけど、みんな学びたいと思ってる。仕事がないけど、みんな働きたいと思ってる。誰かの役に立ちたいと思ってる。こんなに貧しいけど、みんな生きたいって思ってる。死にたいとか、働きたくないって思っている人はここにはいないよ。」と答えてくれました。

さらに、「私たちの国にはテロがあって、毎年何百人か何千人か死んでしまうけど、被害者の誰もが死にたいなんてきっと思ってない。生きたいのに、死んでるの。でも、日本の人たちは毎年何万人も自殺してるでしょ?生きるための豊かさがあるのに、なぜ死にたいの?そんな人がたくさんいるなんて、日本はおかしい。私たちはパキスタンに生まれて良かった。」と言われました。

この言葉によって、私は今の日本がいかに歪んだ社会構造になっていることに気付かされました。福祉現場で体験してきた光景が相重なり、本当に多くの日本人が生きる意味も生きる希望も失いかけているという事が、ストンと腹落ちしたのです。

日本に帰国してから、自分のこれまでの人生を振り返りました。この日本で、これらの気付きを活かして自分は何ができるだろうか。長い時間、自分と向き合いました。そうした中で出会えた考え方が「思い出す生き方」です。

「思い出す生き方」とは、自分がなんのために生まれてきたのか、その答えを思い出しながら生きていくことが、生きる意味であるという考え方です。これは一人ひとりに、それぞれ人生のテーマというか、宿題のようなものがあるのではないか、という考えが前提となっています。

それぞれに与えられた人生のテーマ(宿題)を思い出して達成するために、人は様々な経験を味わいながら生きているのではないかと、考えるようになりました。もちろん、この考え方は一種の仮説です。しかし、私の場合はこの考え方を持つようになってから、生きることがものすごく楽になりましたし、結果的に、たくさんのことに感謝できるようになっていきました。

「なぜ、自分は水戸に生まれたのだろう。」「なぜ、この両親の元で生まれたのだろう。」「なぜ、このような外見や性格で生まれたのだろう。」「なぜ、福祉行政に携わったのだろう。」「なぜ、パキスタンとの縁から気付きを得たのだろう。」「自分に与えたれた人生のテーマ(宿題)は何なのだろう。」いつも、こうしたことを考えていました。

私の場合は、こうした考え方を持ち始めて、生き方が180度変わりました。大変なことや困難が訪れても、「この経験がきっと人生の宿題を達成するために必要なのだ。」と受け容れられるようになったからです。少しずつですが、不平不満を持つことがどんどん減っていき、何が起きても楽しめるようになっていきました。

また、自分らしさを大切にできるようになりました。きっと人生の宿題を達成するために、生まれ持った自分らしさが与えられているのだから、この自分らしさを大切にしようと思えるようになったのです。これによって、他人との比較することも次第になくなっていき、劣等感に苦しめられることも少なくなりました。

今思えば、思い悩んで苦しんで生きていた頃は、ずっと自分にないものを求め続けていたように思えます。周りからの評価を気にし過ぎて、自分らしくないものを積み上げようとして生きていたのです。

その頃は、「もっと勉強しなくちゃいけない。」「もっと評価されたい。」「もっとあれをやらなくちゃ。」といつも、ないものねだりをしていました。だから、不安や焦り、恐れみたいな感情にずっと悩まされてきたのだと思います。

でも、自分にないものを追い求めるよりも、自分にあるものを活かす方がずっと楽ですし、結果的に自分を認められるようになるので、少なくとも私の場合は「思い出す生き方」の実践によって幸せに生きることができるようになりました。

今、本当に多くの方が生きる意味や希望を見失い、思い悩み苦しみながら生きているように思えてなりません。だから自殺大国日本と言われるようになり、精神病患者や、ひきこもりなどの孤独な状況を選ぶ人たちが増加しているのではないでしょうか。

このような背景から、私は株式会社Rememberを設立しました。私たちは、「思い出す生き方」の実践と普及を通じて、より多くの人が生きる意味を見出し、本当の自分らしく生きることのできる社会づくりに貢献したいと願い、これからも活動を続けていきます。

株式会社Remember
代表取締役社長

前川 航太朗

代表略歴

1981年3月、茨城県水戸市に生まれる。大学卒業後は水戸市役所に入庁し、生活保護行政等に携わる。
市役所在職中にパキスタン支援のためのNPOを設立。2013年3月、水戸市役所を勤続10年で退庁。
同年10月、パキスタン支援のNPO活動を休止。
2014年4月、株式会社Rememberを設立、ひきこもり世帯への訪問活動を開始する。
同年12月、「特別就労支援センター ココカラ」を運営開始し、現在に至る。

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